一言で「何年位もちます」と、簡単には答えられません。
通常メインテナンスができていれば少なくとも10年は持ちます。
インプラントそのものはチタンでできているので虫歯になることはありませんが、毎日のお手入れがきちんとできていないと天然歯と同じように歯周病になって しまうからです。つまり、お口の中のお手入れのでき具合によってインプラントのもつ期間が変わってくるということです。
また、喫煙の有無もインプラントがもつ期間に影響します。喫煙している人のほうが非喫煙者よりもインプラントがダメになる確率が高いといわれています。
次に、噛む力も影響します。顎の筋肉が発達して噛む力の強い人、歯ぎしり・くいしばりのある人はインプラントが壊れることも稀にあります。これを防止するためには「ナイトガード」といわれるマウスピースを夜間つけていただきます。
その他、インプラントを入れた部位の骨の状態、噛み合わせ、患者さんの全身状態もインプラントのもつ期間に影響します。
まとめると、
インプラントは、手入れのでき具合、喫煙の有無、噛む力、骨の状態、噛み合わせ、全身の状態に影響され、もつ期間が決まってきます。これらの条件を考慮し ながら、適切な診断と治療そして定期検査が行われていれば、インプラントはかなり長い期間快適に使うことができると思います。
その裏付けとして次のような報告があります。
インプラントの成功率
観察本数 | 経過年数 | 成功率 | |
Haas(1996) | 35本 | 8年 | 90.3% |
Henri(1996) | 74本 | 5年 | 96.6% |
T.Wilson(1998) | 105本 | 5年 | 98.1% |
Priest(1999) | 116本 | 5年 | 97.4% |
Scholandr(1999) | 259本 | 10年 | 98.5% |
Schelle(1999) | 104本 | 5年 | 95.9% |
この表はインプラントの成功率の臨床報告です。5年〜10年で95%以上の成功率が ほとんどです。
現在使用されている第3世代のインプラントは純チタンが使用されており、成功率も飛躍的に向上しています。
1965年に世界で最初に第3世代のインプラントの治療を受けた方は42年間無事に使われたという報告があります。