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インプラントの種類

現在日本には約40種類ものインプラントシステムがあります。主に臨床で使われている代表的なものを以下に記します。

1:ブローネマルク スウェーデン ノーベル・バイオケア社

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【性状】:タイユナイト
スウェーデンのペル・イングヴァール・ブローネマルク博士がチタンと骨が完全に結合することを偶然発見したことから生まれたもので、1965年から臨床応用が開始された世界初のインプラントシステムです。

世界初のインプラントであるため、最も長い臨床実績があり、信頼性が高いエクスターナルインプラントシステムです。

現在ではタイユナイト(Ti Unite)という、ノーベルバイオケア社独自のものになっています。

これは、インプラントのフィクスチャー表面に厚い酸化層とミクロの孔を設けることにより、骨とインプラントの結合「オッセオインテグレーション」を促進するものです。このタイユナイトの開発により、従来よりもインプラントの成功率は大きく向上しました。

2:リプレイスセレクト スウェーデン ノーベル・バイオケア社

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【性状】:タイユナイト
元々はアメリカの会社が製造していたステリオスというインプラントだったのですが、数年前、 世界初のインプラントであるブローネマルクインプラントを販売しているノーベルバイオケア社が吸収合併し、 リプレイスセレクトという名前に変わりました。ノーベルとしては、エクスターナルインプラントシステム:ブローネマルクと、インターナルインプラントシス テム:リプレイスセレクトという両方のラインナップを揃えています。

インプラントの表面性状はブローネマルクと同じく、タイユナイトというノーベルバイオケア社独自のものです。

3:ストローマンインプラント スイス ストローマン社

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【性状】:SLA
ストローマンインプラントはスイスのストローマン社で製造している1回法の代表的なインプラントで、1974年から臨床応用されています。

ITIインプラントの大きな特徴は、フィクスチャー表面の「SLA(Sand-blasted Large-grit Acid-etched)」という性状にあります。これはストローマン社が独自に開発したもので、オッセオインテグレーションを促進するというものです。

これにより、インプラント体と骨との早期の結合が期待でき、早ければフィクスチャー埋入後約6週間という短期間で上部構造を装着することが出来ます。

また、ストローマンインプラントと協力関係である学術団体ITIは研究・科学的な文献、教育は世界でもトップクラスです。

4:アンキロスインプラント ドイツ Degussa社

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【性状】:サンドブラスト処理と高温酸エッチング
アンキロスインプラントの表面性状は、サンドブラスト処理、高温酸エッチングで、二段階の微細表面処理を行ない、骨を作る細胞の移動、定着、増殖に積極的に働きかけ骨との結合を早期に達成します。

アバットメントとフィクスチャーとの結合は、テーパーコネクションと呼ばれる円錐状の結合様式です。マイクロムーブメントが殆ど発生せず、インプラ ント治療初期段階から骨および歯肉粘膜に悪影響を及ぼすことなく、骨吸収を明らかに減少させることが、1987年以来行われている臨床により裏付けられて います。

5:ザイブ ドイツ Degussa社

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【性状】:サンドブラスト処理と高温酸エッチング
表面性状は、アンキロスと同じです。
ザイブインプラントは1974年から開発された「FRIALITテュービンゲンインプラント」まで遡ることができます。

これまで治療が困難であった無歯顎や骨吸収の進んだ顎堤に対する「機能修復」のためだけでなく、「審美修復」の概念で開発されたインプラントシステムで す。 特有の埋入窩形成手順と、歯頚部分の形態がフレア状に広がっている独特のインプラントデザインとネジ山の形状が、インプラント埋入時に周辺骨をコンデンス し骨密度が低い場合でも安定した初期固定が得られます。

6:フリアリット2  ドイツ Degussa社

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【性状】:サンドブラスト処理と高温酸エッチング
世界で最初の歯根形態インプラントで、天然歯根を模倣した形態であるステップ付きインプラントデザインは、咬合力を最適に分散させ、インプラント窩形成時に唇側骨前庭部への穿孔や、隣在歯根が損傷する危険性を最小限におさえます。

インプラントとアバットメントのコネクションは、高い加工精度により施された深いインターナルヘクスコネクションにより、側方からの負荷にも強い安定性を確保し回転を防止します。

7:IMZ-ツインプラスシステム ドイツ Degussa社

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【性状】: TPSスクリュータイプ、サンドブラスト処理と高温酸エッチング
25年間もの長い歴史があるインプラントです。退縮した歯槽骨への使用や骨増殖の手技との組み合わせに理想的であるとされています。

シリンダータイプの先端は丸く、インプラント床が過負荷になるのを避けます。

8:アストラインプラント スウェーデン アストラテック社

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【性状】:タイオブラスト(TiOblast)
アストラ(アストラテック)インプラントは、製薬会社アストラゼネカのグループ企業アストラテック社が製造しているインプラントシステムです。

インプラントネック周囲の骨に対して、優しいインプラントです。インプラントメーカーとしては後発でありますが、形態において、インターナルのコネクティ ブカウンターという特徴があります。また、マイクロスレッド(アバットメント周囲にあるユニークな軟組織シール)により辺縁骨の吸収が少ないなどの利点も あります。

アストラインプラントの特徴的な表面性状であるタイオブラスト(TiOblast)は、二酸化チタン(TiO2 )の粒子をフィクスチャー表面に吹き付けて表面をブラストすることにより、均一な粗造面にして、骨組織との機械的な嵌合をより強固にするというものです。

9:POIインプラント 日本 日本メディカルマテリアル社

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【性状】:陽極酸化、HAコーディング
POIインプラントは、京セラと神戸製鋼所それぞれの医療材料部門の統合によって設立された日本のインプラントシステムの中では最も歴史のあるものです。

国産のインプラントはやはり海外のものと比べると、世界での臨床実績という点で多少劣ることは否めません。

従来のラインナップよりも、初期固定性、審美性の向上の2点を改善することを目的とした「POI-EX」という新しいインプラントが開発されました。

チタン合金をベースに、表面に陽極酸化処理を施したタイプとハイドロキシアパタイト(HA)コーティングタイプがあります。

10:3iインプラント アメリカ Implant Innovations社

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【性状】:オッセオタイト、ナノタイト
3iインプラントの最大の特徴は、オッセオタイトという表面性状にあります。
それは微小で均一な粗造構造で、この微細な突起の間にフィブリンの束が絡まってクロット付着を創り出し、このことがインプラントと骨の結合「オッセオインテグレーション」を強力に促進します。
その結果、1999年に「骨が不良な部位における治癒実績を改善した唯一のインプラント」としてFDAに認められています。

また、近年、ナノタイトと呼ばれる表面性状が開発され、さらに骨との結合を緻密になりました。あわせて、ナノタイトの表面性状を持ち、プラットホームスイッチングと併用できるインプラントがラインナップに登場しました。

11:スイスプラスインプラント アメリカ ジンマー社

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【性状】: HAコーティング
整形外科の分野、特に人工関節で有名なジンマー社のデンタル部門で開発されました。
インプラント表面の性状はMTXブラスト処理によりオッセオインテグレーションを促進しています。
そのため治療期間が比較的短く、ケースによっては即時荷重に対応しやすい工夫がされた1回法用のインプラントシステムとなっています。

フィクスチャーマウントは、手術時のデリバリー、印象用トランスファー、プロビジョナルの支台の3機能を有し、即時修復にとって便利なシステムになっています。

12:スプラインインプラント アメリカ ジンマー社

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【性状】:HAコーティング
インプラントの表面をHAでコーティングすることによって、インプラントと骨の結合「オッセオインテグレーション」を促進しようというのが、HAコーティングの狙いです。HAとは「ハイドロキシアパタイト」の略で、HAは骨の無機質の大部分を占めるものです。

ジンマー社のHAコーティング技術はMP-1と呼ばれ、97%のHA結晶構造を有しています。その結果、今まで、HAコーティングの問題点であった剥離や吸収などの問題がほとんど報告されていません。

また、スレッドタイプではHAコーテッドインプラントで唯一、セルフタップ様式です。

13:スクリューベント  アメリカ ジンマー社

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【性状】:HAコーティング
フィクスチャーの表面は、MTXブラスト処理が施されています。それは被溶解性ブラスト材にHA(ハイドロキシアパタイト)結晶顆粒を用いて表面をマイク ロピット状にし、酸処理により表面に残留したHAを溶解してクリーンな状態にする画期的な方法です。MP-1(HAコート)処理のタイプもあります。

完全埋入型の2回法タイプです。

14:バイコンインプラント アメリカ バイコン社

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【性状】:ノンコーティング、TPS、HAコーティング
バイコンインプラントは20年の臨床実績と35年の研究開発の実績を持つ、歴史のあるインプラントシステムです。1981 年にチタンを材料とする Titanodont インプラント システムを開発し、985 年、Driskell は 現在バイコンが使用してるものと同じシステムを発表しました。

細菌の侵入を防ぐと言われている1.5度ロッキングテーパーでインプラントとアバットメントを接続するや、360度どの方向にも回転させて位置決めできる アバットメント、セメントやスクリューを必要としないバイコンインテグレーテッドアバットメントクラウンなど、バイコン独自のシステムが多数取り入れられ ています。

15:エンドポアインプラント カナダ イノバ社

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【性状】:ポーラスコーティング(多孔質被覆)
エンドポアインプラントはポーラスコーティング(多孔質被覆)という特徴的な表面性状を持ち、そのため通常のスクリュー型インプラントの3倍の表面積になります。

インプラントの骨埋入部の長さが短いので、骨吸収の著しい場合でも、適用可能です。

9:プラトンインプラント 日本 プラトン社

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【性状】:ブラスティング+酸エッチング処理、HAコーティング
プラトンインプラントは日本の歯科医師、企業、大学などが協力して開発した日本製のインプラントシステムです。

表面性状はブラスティング+酸エッチング処理で、均一な凹凸と安定した酸化膜を形成し、オッセオインテグレーションを促進させます。プラトンシステムの表 面処理の特徴として、半導体のウエファーのクリーニングにも用いられているGDT(グロー放電処理)を採用、高いレベルでの洗浄度を保っています。

最近ではインプラント体表面にHAコーティングを施した、「プラトンバイオインプラント」が開発されました。

16:AQBインプラント 日本 アドバンス社

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【性状】:HAコーティング
従来、ハイドロキシアパタイト(HA)コーティングはチタン基材の表面にHA粉末を溶射原料としてプラズマ溶射をすることにより作製されてきました。

高温で比較的分解しにくく、骨伝導能を示すリン酸三カルシウム《TCP:Ca3(PO4)2 》からプラズマ溶射によって薄膜コーティングした後、『歯肉接着生体高親和性処理』によって再結晶化HAコーティング層に変換して作られた表面構造を持っています。

17:IATインプラント 日本 石福金属興業社

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【性状】:放電加工
石福金属興業は、70年以上の歴史がある金属のメーカーです。プレスフィット、スパイラルフィットのボディ表面は、ワイヤ放電加工によって表面処理されて おり、骨との親和性が高いといわれている酸化チタン層が厚く強固に形成されています。表面の粗さは、規則正しい微小な凹凸形状をなし、この小さなお皿が並 んだように見えるユニークな梨地面が骨に対する親和性を飛躍的に高めています。

18:Re(GCインプラントシステム)  日本 GC社

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【性状】ブラスト+エッチング処理
1997年に発売されたインプラントです。独自の可溶性ブラスト粒子を用いたブラスト+エッチング処理という粗面化処理を行ったにもかかわらず、機械加工フィクスチャーよりも表面汚染が少なく骨結合能を高めています。

19:カムログインプラントシステム ドイツ カムログ社

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【性状】エッチング+サンドブラスト処理
ドイツのインプラント専門医たちの25年の臨床研究をもとに、1995年に開発されました。カムログのフィクスチャーとアバットメントの連結様式チューブ インチューブデザインは機械的な安定性に極めて優れており、回転方向の誤差はほとんどありません。これにより、安定した補綴治療が行えます。

20:SPI システム  スイス  トーメンメディカル社

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【性状】ブラスト+エッチング処理
2002年に、SPIシステムとして発売が開始されました。

21:マイティスアロー   日本  ブレーンベース社

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【性状】ABS(アパタイトブラスト表面処理)
純チタンタイプのインプラントでありながら、HAの利点も存在するユニークなインプラントです。コーティング層が表面に存在しないため、摩擦によって剥離 することがないという点、リン酸カルシウム(HAPとTCP)でサンドブラスト表面処理を行うため、アルミナなどの生体不活性物質が無いので高い生体親和 性を持つという特徴があります。

福島 一隆

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