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インプラントとは?

インプラント治療とは、主に歯がなくなった部分に人工の歯を補う方法です。(最近は矯正治療にも使用することがあります。)

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元々歯は顎の骨の中に埋まっているのですが、歯がなくなっても歯茎の下には骨が残っています。この骨の中にインプラント(インプラント体)と呼ばれる人工の歯の根っこを埋め込んでその上にかぶせ物(差し歯)をすることによって歯を補っていきます。

このためインプラントは人工歯根といわれることもあります。

インプラント治療は一部の例外を除き歯が1本だけなくなった方から全ての歯がなくなった方まで行うことが出来ます。

インプラントと一口に言ってもテレビ等の電化製品と同じで様々なメーカーがインプラントシステムを市販しています。

多くのインプラントシステムは

①骨の中に埋めるインプラント体、

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②かぶせ物の土台となる部分(アバットメントと呼ばれます)、

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③かぶせ物部分

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から構成されます。

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インプラント体は主にチタン製で、これが骨と結合することによって健康な歯と同様にぐらぐらせずしっかりした状態になります。その上に土台を立てて被せ物をするので健康な歯と同じように噛めるようになります。

インプラントは世界的に見ても欧米では一般的な治療法であり、新興国においても一般的になりつつあります。
歯がなくなってしまった部分を補う方法はインプラント以外にも2通りあります。隣の歯を削ってかぶせる事によって行うブリッジという方法と食事のたびに取り外して洗う必要のある入れ歯という方法です。

ブリッジや入れ歯は、なくなった歯(これから抜歯する歯)に本来かかっていた力を残った歯で負担することになるため、残った歯にかかる負担が大きくなり

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残った歯も悪くなっていくというような負の循環に陥る可能性が高いのに対して、インプラントでは残った歯にかかる負担は既になくなった歯(これから抜歯する歯)が健康な状態だった時と同じですので、

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残った歯の寿命を短くする可能性はきわめて低いという利点があります。反面、治療期間が長いという欠点もあります。
インプラント治療を成功させるにはインプラント体と骨とが結合する(くっつく)ということ(我々はオッセオインテグレーショ ン:osseointegrationと呼びます)が非常に重要です。インプラント体を埋め込んだ時にはその周囲全てが骨で覆われている必要があります。

そのためには骨がどれだけ残っているかを診査する必要があり、骨の断層撮影(CT)を行ってどれだけ骨が存在しているかを3次元的に診断することも 多々あります。診断の結果骨が不足しているということがわかった時には、インプラントを埋め込むのと同時に骨を再生させる手術を行う場合と、あらかじめ骨 を造成する手術を行って骨が再生した後にインプラントを埋め込む場合があります。診断が甘く、十分な骨がない所にインプラントを埋め込んだらどうなるで しょうか。治療が終了してすぐは問題なく機能するかもしれません。しかし、そのようなインプラントが長期的に安定する可能性は低いと考えられます。高額の 治療費を払ってインプラント治療を行っても短い時間で問題を起こすような治療は「予知性の低い治療」と専門医の間では呼ばれ、否定されています。

不快な思いをしないためにも専門医による診断はとても大事です。また、インプラントを長持ちさせるためにはインプラントの周りの歯ぐきを強い歯ぐきにする ことも大切です。さらに、インプラントを埋め込む位置(ポジション)や埋め込む角度も同じく重要です。そのためにも十分な知識を持った専門医に診てもらう ことが重要になります。

インプラントは外観(見た目)が悪いんじゃないかしら?と心配されている方がいるかもしれません。
とくに前歯は良く見える場所なので気になる方が多いと思いますが、これも専門医によるしっかりした診断と治療が両立すれば問題ありません。

インプラント治療は予知性の高い治療法であることは世界的にも認識が一致していますが、他の治療法と同じく成功率は100%ではありません。術者の技術力 による差は非常に大きいです。しかし、失敗した場合の対処法もあります。また長年使用することによって壊れる場合や咬む力が非常に強く壊れてしまう場合も あります。

最後になりますが、インプラント治療は歯が入って終わりではありません。治療終了となった時点では良く咬めて見た目も問題ない状態だと思います。しかし、 ここで原点に立ち返って考えてください。不慮の事故で歯がなくなった方などの例外はありますが、多くの方は虫歯や歯周病が原因で歯をなくされたのではない でしょうか?神経の治療(根の治療)をしてかぶせていた歯が割れてしまったのというのも本来虫歯で神経の治療をしなければ歯が割れていなかった可能性は高 いです。

元々自分の歯があった時もその歯は虫歯や歯槽膿漏(歯周病)などの病気にかかってしまうような口の中の環境(うまく磨けてない状態)であった可能性が高い 場合、インプラント治療が終了となった時点ではインプラント周囲に骨があって、その周りに歯茎があって、歯茎の上にかぶせ物の部分が見えているという状態 です。これは自分の歯がある時と周辺構造も似た状態です。インプラントを埋め込んだ部分は自分の歯があるのと同じだと考えてください。

よって以前自分の歯をだめにしてしまったのと同じ方法で清掃していてもまただめになる可能性があることを認識していただき、丁寧に磨いてください。そうす ればインプラントが長持ちする確率が跳ね上がります。もちろん、医師も磨きやすい環境を整えたり、悪くなりにくい歯茎を獲得したり、過度な力がかからない ように噛みあわせを調整することによって長期的に安定させられるように努力しますが、患者さんご自身の協力なしでは絶対にうまくいきません。このあたりは 耳が痛いと感じる方もいらっしゃると思いますが、しっかり磨いていただければ長持ちします。

またインプラント治療はメリットだけではなくデメリットもあります。特に専門医でなくともインプラント治療ができる現状では大きなリスクもあることを認識することも大切だと思われます。

何でもおいしく食べられることは人間として基本的なことと思います。全身の健康のためにも基本です。また最近、ボケの防止にもしっかり咬めることが非常に重要だということがわかっています。また、歯を見せて大きく笑えることはすばらしいことです。

田中 泰弘

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