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安いインプラント治療があると聞きましたが、大丈夫でしょうか?

低価格でインプラント治療を行える医院には大きく2点の要因があります。

1.技術力に対する投資の節約

毎年海外の学会に出席し最新の技術、知識を得るためには開業医の場合、当然その間仕事を休まなければなりません。専門医として日進月歩のインプラント治療の技術についていくためには毎年多くの学会、研究会、勉強会、研修コース等に出席していかなければなりませんが、そのためには診療日数も多少犠牲にせざるをえません。

開業医の場合の経営的な話になりますが、一週間院長が診療を休診すると通常の医院ではその月の経営は赤字になります。経営第一の医院ではそのような無謀なことはまずしません。しかし、真に患者さんに対して最新の医療を施すことを目標に日々研鑽しているインプラント専門医であればそのための時間的投資、金額的投資を惜しみません。
 
高い技術に基づく治療をできる専門医が実際のインプラント治療をする執刀医かどうかの確認も大切です。技術レベルの低い研修医によるインプラント治療であれば当然コストを抑えることができます。

2.インプラント体とかぶせ物に対する節約

インプラント体も現在では世界で200社以上のメーカーがあるとされています。
その中で、本当に世界標準といえるのはわずか数社というのが現状です。
米国歯科医師会(ADA:American Dental Association)では、厳しい基準をクリアした歯科製品に認証(ADA Seal)を与えていますが、現在承認されているインプラントが、3i(アメリカ)、Zimmer(アメリカ)、アストラテック(スウェーデン)、ストローマン(ITI)(スイス)です。ADA認証も、信頼度をはかる一つの目安といえるでしょう。

これらにノーベルバイオケア(スウェーデン)を加えた5社程度が現在、一般的にはインプラント専門医の間ではWorld Standard(世界標準)と呼ばれています。

世界標準とされるインプラントメーカーは、まず長い歴史と、圧倒的な症例データをもっています。加えてインプラント体のみならず、手術法や、器具、ドリルなどの改良を日々行っています。また使用した器具の使い捨てを指導するなど徹底的な衛生管理も同時に行っています。

世界標準ではないインプラント体の中には5年程度で骨との結合が無くなってしまう率の明らかに高いものも多くあることがデータとしてはっきりしています。
使用する歯科医師側の意識はどうでしょうか。患者さんのことを第一に考えると、やはり信頼のおけるインプラントを使いたいと考えます。たとえ高価でも世界標準のインプラントを使うということは、歯科医師のインプラントへの取り組む姿勢を表しているのではないでしょうか。

他方、安いインプラントを使うということは、どういうことでしょうか?
そういった会社の多くは数年の歴史しかありません。使ったインプラントが何年持つのか症例がないのでわからないのです。また、そのインプラントの会社がなくなって部品が手に入らないなどの問題も生じています。それらのメーカーは、技術の積み重ねによる改良や症例データの分析もなく、価格を前面に押し出すしかないのが現状です。

かぶせ物に含まれるものは上部構造という表現をしますが、最近主流になってきていますセメント合着タイプの場合、インプラント体と直接つながるアバットメントと呼ばれる部分とその上にかぶせる冠の部分に分かれます。

アバットメントも前述しました世界標準ではない製品ではかなりコストを抑えることができます。冠の部分のセラミック等も歯科技工士の技術レベルによって5~6倍のコストの差が出ます。

真にエビデンス(信頼のおける論文、実証などのある論拠)にベースをおいた治療を行う専門医の中にはこの2点においてcost cut(節約)をする医者は通常いないと思われた方が良いでしょう。

ただ、その2点にコストをかけていないにもかかわらずインプラント治療費だけは40~50万という歯科医院も実際には多くあります。そのような歯科医院でインプラント治療をされるよりは費用が安いだけある意味良心的といえるでしょう。

野々山 浩介

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