インプラント体の周りにハイドロキシ・アパタイトというものをコーティングしたタイプのインプラントのことです。
世界標準と呼ばれるインプラント体は通常純チタンのみでできています。
HAとは「ハイドロキシアパタイト」の略で、HAは骨や歯の主成分です。インプラントの表面をHAでコーティングすることによって、インプラントと骨の結合を促進させます。
ここで、HAコーティングされていないインプラント(チタンインプラント)とHAコーティングインプラントを比較してみると、まず、チタンインプラントはネジ止めで、HAインプラントはネジ止めに接着剤が付いていると思って頂けると判りやすいと思います。
チタンインプラントの骨との結合は、初期には少しすき間が空いている状態で、機械的に骨と結合します。その後2~4か月の時間をかけてオッセオ・インテグレイションと呼ばれる骨とチタンとの間の結合が起きます。それに対し、HAインプラントのHAと骨との結合は、周囲の骨との間に、カルシウムが沈着し、生化学的にかなり早い時点で強く結合します。骨の状態(骨質、骨量)が悪い場合でも、歯を抜いた後の隙間がある状態でも、直後の成功率が高いと言われています。
しかし、HAコーティングインプラントには、インプラント本体のチタンとHAが結合しないため経年変化で、最初の5年程度は予後が良いのですが、それ以降、あごの骨の中でHAがチタンから剥がれてしまうという報告があります。すなわち、一度骨と結合したインプラントが緩んでしまうという現象が起こる場合があるということです。
簡単に言いますと、HAと骨はしっかり結合しますが、HAとインプラントはしっかり結合しない場合がある、ということです。
一部に、現在の最新タイプのHAコーティングインプラントでは、こういう危険性は改善されているという説もありますが、現段階では証明されていません。